2008年7月11日金曜日

鉄鋼世界2位の新日本製鉄と3位のJFEスチールが、
鉄鉱石が豊富なブラジルでの生産を加速させる。新日鉄は
9日、現地のグループ会社による新製鉄所建設を発表。J
FEも今後始める現地生産の増強を検討している。二酸化
炭素の排出削減が厳しく求められる日本では大幅な増産は
難しく、世界的な需要増に地球の裏側で対応する。

 新日鉄の持ち分法適用会社であるウジミナスは12年ま
でに約6千億円を投じ、ブラジル・ミナスジェライス州の
イパチンガ製鉄所近くに、高炉2基を持つ製鉄所を建設。
ウジミナスの粗鋼生産量を現在の約1.5倍の年間144
0万トンまで増やす。

 ウジミナスと新日鉄はさらに10年代前半にも同国サン
パウロ州のクバトン製鉄所に約3千億円を投じ、年産30
0万トンの高炉1基を新設する方向で検討している。これ
らがすべて稼働すれば、ブラジルでの粗鋼生産量は、新日
鉄本体の日本国内での生産量の半分程度まで増える。

 イパチンガ近くの新製鉄所で生産する粗鋼は、自動車な
どの生産が伸びているブラジルの国内需要向けが中心。ク
バトンで生産する粗鋼は、一部を半製品の状態で日本に運
ぶことも検討中だ。鉄鋼で世界最大手のアルセロール・ミ
ッタルが主導権を握る欧米市場も近く、採算にあう輸出が
可能だ。

 JFEは4月、グループ会社の東国製鋼(韓国)、鉄鉱
石大手バーレ(ブラジル)と合弁で、10年代前半に6千
億円程度を投じ、ブラジル・セアラ州に年産500万~6
00万トン程度の製鉄所を建設する方針を発表した。

 JFEの馬田一社長は「需要次第では将来的に高炉を2
基から3基に増やし、年産を900万トン程度まで引き上
げることも考えている」と語る。900万トンは、JFE
の現生産量の4分の1弱にあたる水準だ。

 当初計画の年産500万~600万トンは、すべて半製
品の状態で出荷する方針。うち300万トンは米国西海岸
にあるJFEとバーレの合弁会社へ、150万トンは韓国
の東国製鋼へ運び、建材や造船用に加工する。

 新日鉄、JFEなど日本の鉄鋼大手は、鉄鉱石の3割近
くをブラジルから日本に輸入している。製鉄所で鉄鉱石か
ら不純物を除き半製品の状態にして運べば、輸送費を減ら
せる。不純物を除く過程で大量の二酸化炭素が出るが、ブ
ラジルでは日本と違い、京都議定書による排出削減義務は
ない。

 また、鉄鉱石は、中国などの旺盛な需要を背景に品薄が
続いており、安定調達も課題だ。ウジミナスは2月、ブラ
ジルの鉄鉱石鉱山会社を買収。JFEはバーレとの関係を
強化した。

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